美術館について
建築
穏やかな波状のカーブを描く高い天井を持つロビー空間に足を踏み入れると、目の前に美しい湖の景観が広がります。風景と一体化したような優美な建物の形態は、水面と大地をつなぐ「なぎさ」をイメージしたものです。
チタン製の大屋根は、日光を柔らかく反射します。対岸から見る時の視線を意識し、背後の山並みを遮らないように高さは低く抑えられています。屋根の円い開口部は展望テラスとなっています。
メインエントランスは冬の北西の季節風を避ける位置に設置され、ロビーから湖の景観を楽しみながら展示室へとアプローチができます。
設計者の菊竹清訓氏は多くの美術館・博物館建築を手掛けていますが、その中でも《島根県立美術館》は自然環境との見事な調和を見せる名建築と言えます。
設計者
菊竹清訓(1928-2011年)
福岡県に生まれる。1950(昭和25)年早稲田大学理工学部建築学科を卒業し、1953年、25歳で菊竹建築研究所を設立。ブリヂストンタイヤの創業者・石橋正二郎からの依頼で《石橋文化センター》の設計を行う。1958年、生活空間を自由に組み替える自宅《スカイハウス》を世に送る。1958年から〈海上都市〉を構想し、1960年代に新陳代謝する建築や都市を追究するメタボリズム論を提唱する。また、「か(構想)・かた(技術)・かたち(形態)」の設計理論を展開した。2000年のユーゴスラヴィア・ビエンナーレで「今世紀を創った世界建築家100人」の一人に選ばれる。
建築概要
建築物名称 | 島根県立美術館 |
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所在地 | 島根県松江市袖師町1-5 |
敷地面積 | 14746 平方メートル |
建築面積 | 9311.92 平方メートル |
延床面積 | 12498.88 平方メートル |
階数 | 地上2階 |
最高高さ | 15.5m |
構造種別 | 鉄骨鉄筋コンクリート造一部鉄骨造 |
建築主 | 島根県 |
設計 | 株式会社菊竹清訓建築設計事務所 |
フロア構成
(単位:平方メートル)
展示部門 3,862 | 教育普及部門 729 | サービス部門 1,964 |
---|---|---|
企画展示室 1,153 展示室1 737 展示室2 211 展示室3 163 展示室4 360 展示室5 378 ギャラリー 860 |
ホール 252 アートスタジオ 104 講義室 82 アートライブラリー 242 キッズライブラリー 49 |
エントランスロビー 1,310 2階ロビー 422 ミュージアムショップ 109 レストラン 99 授乳室 15 ロッカールーム 9 |
展示部門 3,862 |
企画展示室 1,153 展示室1 737 展示室2 211 展示室3 163 展示室4 360 展示室5 378 ギャラリー 860 |
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教育普及部門 729 |
ホール 252 アートスタジオ 104 講義室 82 アートライブラリー 242 キッズライブラリー 49 |
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サービス部門 1,964 |
エントランスロビー 1,310 2階ロビー 422 ミュージアムショップ 109 レストラン 99 授乳室 15 ロッカールーム 9 |
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シンボルマーク・ロゴタイプ
イメージ
●水のイメージ
●宍道湖のイメージ
●島根(Shimane)のSの形状から
●美術館の建物の形状から
デザイン
田中一光(1930-2002年)
奈良県に生まれる。1950年京都市立美術専門学校(現京都芸大)卒業。1960年日本デザインセンター創立に参加。1963年田中一光デザイン室主宰。日宣美会員賞、ワルシャワ国際ポスタービエンナーレ銀賞、毎日デザイン賞、芸術選奨文部大臣新人賞、ニューヨークADC金賞、東京ADC会員最高賞、毎日芸術賞、日本文化デザイン大賞、TDC会員金賞、朝日賞、第一回亀倉賞などを受賞。N.Y.及び東京ADC殿堂入り、紫綬褒章受賞、文化功労者表彰。